「人寄せパンダ」や「客寄せパンダ」という言葉があります。
良くない意味で用いられることの多い言葉ですが、このような例えはいつ生まれたのでしょうか。
言葉の意味と語源について紹介します。
人寄せパンダ、客寄せパンダ
動物園の人気者であるパンダは、それを目的に足を運ぶ人が多い存在。
そんなパンダのように集客効果を持つ人や物のことを「人寄せパンダ」「客寄せパンダ」と呼ぶ場合があります。
パンダが人気者であるのは間違いありませんが、このような言葉は否定的なニュアンスで使われることもあります。
エマ
悪いニュアンスで使われることがあるよ。
田中角栄の人寄せパンダ発言
初めて公の場で人寄せパンダという言葉を使ったのは、田中角栄だといわれています。
1981年、東京都議会選挙の応援演説中「私は人寄せパンダ。頼まれればどこにでも行く」と発言し、その年の流行語になりました。
ちなみに田中角栄は、1972年に日中国交正常化が実現した際の総理大臣です。
トミー
田中角栄が自分をパンダに例えたんだね。
ポートピア’81
田中角栄の発言と同じく1981年、神戸で開催された博覧会「ポートピア’81」では、中国からやってきた2頭のパンダが展示されました。
「海の文化都市」が博覧会の大きなテーマでしたが、海とは関係ないパンダ目当てに入場者が増加し、マスコミに注目されました。
この時日本でパンダを飼育していたのは、東京の上野動物園のみ。
関西でパンダが見られるのは、当時の人たちにとってはビッグイベントでした。
このような出来事が重なり、1981年に「人寄せパンダ」「客寄せパンダ」という言葉が人々の間に浸透したのでしょう。
エマ
パンダを見るために、博覧会の来場者が増加したよ。
まとめ
・集客効果を持つ人や物を指す
・否定的なニュアンスがある
・田中角栄の発言で流行
・ポートピア’81ではパンダ目当てに来場者が増加
トミー
集客効果のある存在を指しているよ。