パンダといえば、中国を代表する動物です。
しかし、現在パンダの祖先はヨーロッパにいたと考えられています。
発見された化石から判明した、パンダの祖先について深掘りしてみましょう。
パンダの祖先はヨーロッパにいた
現在、野生のパンダは中国の一部の地域にのみ存在しています。
しかし、化石の発見などにより、もともとパンダの祖先はヨーロッパに生息していたとわかりました。
パンダの祖先は現在のような竹中心の雑食ではなく、肉食だったと考えられています。
スペインやハンガリーから化石がみつかっているよ。
ジャイアントパンダの祖先
現在地球上にいるジャイアントパンダ属の動物は1種類ですが、有史以前には複数の種類がいました。
最古のジャイアントパンダ属の動物は、約200万年前に生息していたピグミージャイアントパンダです。
さらに時代をさかのぼると、パンダの祖先といえる近縁の動物が多く確認されています。
これらの古生物には学名しかついていないものが多いため、聞き馴染みがないかもしれません。
学名は二名法という方法でつけられていて、ラテン語で表記されます。
前半部分に属名、後半部分に種小名を表す言葉が入っています。
ちなみに、ジャイアントパンダ属を表す学名はAiluropoda(アイルロポダ)、現存種はAiluropoda melanoleuca(アウルロポダ メラノレウカ)です。
パンダの祖先を見てみよう!
ピグミージャイアントパンダ
学名 | Ailuropoda microta |
時代 | 新生代第四期 |
体長 | 約100cm |
化石産地 | 中国 |
発見 | 1962年 |
ピグミージャイアントパンダは約200万年前に生息していた、最古のジャイアントパンダ属です。
発見された頭蓋骨からは、現在のパンダより小型だったとわかっています。
アイルラルクトス ルーフェンゲンシス
学名 | Ailurarctos lufengensis |
時代 | 新生代新第三期 |
体長 | 約100cm |
化石産地 | 中国 |
発見 | 1989年 |
アイルラルクトスは、約800万年前の中国に生息していました。
中国では「始熊猫(始パンダ)」と呼ばれています。
化石から第6の指が確認できることから、すでに竹を食べていたと考えられています。
(出典:Scientific Reports)
アグリアルクトス ニコロビ
学名 | Agriarctos nikolovi |
時代 | 新生代新第三期 |
体長 | 不明 |
化石産地 | ブルガリア |
発見 | 2022年 |
ブルガリアの博物館に40年以上保管されていた2本の歯の化石が、2022年にパンダの祖先のものだと判明しました。
竹に適した歯をもっていないため、より柔らかい植物を食べていたと考えられています。
クレトゾイアルクトス ベアトリクス
学名 | Kretzoiarctos beatrix |
時代 | 新生代新第三期 |
体長 | 不明 |
化石産地 | スペイン |
発見 | 2011年 |
1100万年前のヨーロッパに生息していた、パンダの祖先です。
天敵から身を守るため、木登りが得意だったと考えられています。
今のところ化石が発見されている中では最古の祖先ですが、その後パンダがどのようにヨーロッパから中国に渡ったのかは、謎に包まれています。
おすすめの書籍
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パンダという種の、進化の歴史に興味がある方は必見です。
パンダの祖先はお肉が好き!?
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始パンダ(始熊猫)から現存種までの、姿や生態の変遷をたどります。
まとめ
・パンダの祖先はヨーロッパにいた
・最古のジャイアントパンダ属は、ピグミージャイアントパンダ
・約800万年前には、すでに竹を食べていた
・どのように中国にやってきたのかは不明
パンダの祖先はヨーロッパにいたよ。