パンダの赤ちゃんは、成獣と比べて非常に小さいことで有名です。
ピンクの赤ちゃんは、いつ白黒で大きな姿になるのでしょうか。
パンダの成長過程や、なぜ小さな状態で生まれてくるのか、謎に迫ります。
パンダの成長過程
パンダは3~5か月の妊娠期間の後、赤ちゃんを1~2頭出産します。
生まれた時こそ小さな姿をしていますが、1年で約30kg、2年で約60kgに成長し、最終的には100kg前後になります。
出生時 | 100~150gの非常に小さな状態で生まれる。パンダは生まれてからの1週間が最も死亡リスクが高いといわれています。 |
生後1週間 | 徐々に白黒模様の毛が生えてきます。 |
生後2か月 | 体重が3000gほどに成長。目が開き始め、段々周囲の様子がわかるようになります。 |
生後3か月 | よちよちと歩けるようになります。また、乳歯が生え始めます。 |
生後5か月 | 木に登ったり、竹を噛み始めたり、行動が活発になります。 |
生後7か月 | 乳歯から永久歯に入れかわり始めます。 |
1歳 | 体重が30kgほどに成長。竹を食べ始めます。 |
1歳半 | 母親のもとを離れ、独立します。その後、オスは6~7歳、メスは4~5歳で性成熟に達します。 |
生まれて1年くらいで竹を食べ始めるのか~。
赤ちゃんの大きさは100~150g
パンダの赤ちゃんは非常に小さな姿をしています。
出生時の体重は、わずか100~150g。
成獣と比べて、1000分の1ほどの大きさしかありません。
パンダは胎盤性哺乳類の中で、最も成獣と新生児のサイズ格差がある動物です。
これほどサイズの異なる赤ちゃんを産むのは、ほかには有袋類だけだよ。
赤ちゃんパンダの死亡リスク
パンダの赤ちゃんは死亡リスクが高く、特に最初の1週間は飼育下であっても油断できません。
生まれたばかりのパンダは、自力で移動できず目も見えない状態です。
体格差のある母親に誤って踏まれたり、天敵であるヒョウやジャッカルに襲われる危険が潜んでいます。
また、双子が生まれた場合、野生のパンダはどちらか片方しか育てません。
パンダは母親の初乳からしか免疫を獲得できないため、育児放棄されたパンダはそのまますぐに死亡してしまいます。
しかし、現在飼育下ではツインスワッピングという方法によって、2頭とも育てることが可能になりました。
パンダが成長するのは大変なんだね。
パンダの赤ちゃんは、なぜ小さい?
パンダがなぜ小さな姿で生まれてくるのか、はっきりとした理由は今も解明されていません。
パンダをはじめクマ科の動物は小さな状態で生まれますが、パンダは特に成獣とのサイズ格差があります。
2020年に発表されたアメリカのデューク大学の研究では、パンダと比較対象の動物をCTスキャンし、新生児の骨格を調べました。
調査の結果、パンダの新生児は未熟児の状態だと判明しました。
パンダは常に妊娠期間の約7割の時点で未熟児として生まれていて、人間でいう通常40週の妊娠期間のうち、28週目の胎児にあたります。
比較対象としてほかのクマ科の動物も調べられましたが、そのような特徴をもった新生児はパンダだけでした。
なぜパンダが未熟児の状態で子供を出産するのかは、まだ謎に包まれています。
まとめ
・パンダは非常に小さな状態で生まれる
・1年で約30kg、2年で約60kg、最終的に約100kgに成長
・生後1週間が最も死亡リスクが高い
・なぜ小さな状態で生まれるかは不明
パンダの成長は早いよ。